2009/06/03

あきらめるな

近所のレンタルビデオ屋さんは火曜日がサービスデイです。
普段は1週間レンタル380円ですが、この日は200円です。
DVDを一つレンタルしました。
「X-ファイル 真実を求めて」です。
6年ぶりの劇場映画版だそうです。

モルダーもスカリーもFBIを退職していました。
モルダーは職に就かず、あいもかわらず頂上現象を追っています。
スカリーは医師に戻り、病院に勤務しています。
モルダーは以前と変わらないのですが、スカリー(ジリアン・アンダーソン)はおばさんになりましたね。
(もっとも、私もそのぶんおじさんになったのですが)
ふたりは失踪した現職の捜査官の追跡をFBIから要請されるのです。
透視の超能力を持つ人物がFBIに事件の協力を申し出てるのですが、
FBIもスカリーもこの人物の能力を信じていません。
モルダーだけが信じて、事件を解決します。

スカリーは重病の少年の患者をかかえています。
この子を救うのは成功率が低くて苦痛を伴う手術だけです。
少年の両親も病院の理事も手術をあきらめ、ホスピス(終末期ケア)で少年の心を救おうとします。

モルダーは真実(頂上現象)を求め続けようとします。
そして、スカリーに「あきらめるな」と真実への探求を勧めます。
超能力者もなぜか、スカリーに「あきらめるな」とつぶやきます。

スカリーは少年への手術を決意します。


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2009/02/14

進むの、前進よ

テレビドラマ「ルート66」 「Where is chick lorimer,where has she gone?」より

エレン(ベラ・マイルズ)はセントルイス近郊の田舎町で育ちました。
歌が上手で美しい顔立ちの彼女は17歳で町を出、芸能界を目指します。
好調で収入にも恵まれた時期もありましたが、運は続かず苦境に入ります。
恋にも恵まれず、落ちぶれ、各地を放浪し警察のやっかいになる事もありました。
姪の結婚式のため、20年ぶりに故郷に戻ったエレンはストリッパーで生計を経てていました。
ルート66の主人公で理想の地を探してアメリカ中を放浪する青年トッド(マーチン・ミルナー)と知りあったのはこの時で、ケネディ大統領の時代です。
周囲には過去を伏せ、彼女は故郷に永住するつもりでした。

結婚式のパーティーで姪から歌を請われ、満座を魅了するエレン。
しかし、追いかけてきた借金取りの男が大声で彼女の正体をバラします。
町外れの墓地に逃げ込んだ彼女をトッドが探し出します。
悲しみに打ちひしがれ、町を出ようとするエレン。町に居るように勧めるトッド。
トッド 「君が要るんだ」
エレン「私が生きることを誰かが望んでくれるだけで充分よ」
トッド 「君の履歴書に何が書いてあろうと、気にしない」
エレン「私はそうじゃない、おまけに年を二つもごまかしている」
エレン「町に居たらどうなるの」
トッド 「町を出たらどうなるっていうんだい」
エレン「進むの、前進よ、希望と夢を求めて」
トッド 「どんなことがあっても君を忘れない」
エレン「泣きたくなったら、あなたを思い出すわ」
エレンは一人寂しく町を出ます。
彼女を見送ったトッドも町を去ります。

二人が再びめぐり合うことはないでしょう。
エレンもトッドも次の町に旅立ちました。希望と夢を求めて  ………そして私も


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2008/12/09

夕子はいずこへ

二十歳代の頃、よく京都の町を訪れました。
歴史のかもし出す情緒は心を癒してくれます。
今も心の隅にある思い出は、観光名所や寺社仏閣ではなく京都の庶民の町並みです。
雪の降る日に上賀茂を歩いていると妙な物が目に入りました。
樽の上に長い棒を置き、棒の先にコンクリートの丸いブロックが吊るしてあるのです。
「何だ、あれ?」
「あ、すぐきだ!すぐきを漬けているんだ」
すぐきはカブの一種で、すぐき漬は京都を代表する漬物です。
空から落ちてくる白い妖精に囲まれた、京都ならではの風景に感動しました。
京の街は、お盆を過ぎた8月下旬と雪の季節にロマンの匂いを放ってくれます。

いつの事でしょうか、家族の土産に京都名物の八ツ橋を買いました。
「夕子」という商品名で、包装紙に由来が語られていました。
水上勉の「五番町夕霧楼」を知ったのはその時です。
早速、文庫本を購入して、走るように読んだのを覚えています。
夕子は貧しい家の長女で家族を養うために西陣の色町「五番町」の夕霧楼に遊女として売られ、客の相手をします。
幼馴染で想いをよせる青年僧の正順が金閣寺で修行をしています。
正順は体の障害と寺での抑圧への絶望から金閣寺に放火し自らの命を絶ちます。
肺を患った夕子も正順の後を追います。
悲しい物語で、夕子は想いを語りませんが、強い愛を感じました。

上京区の五番町を歩いたのは暫くしてからです。
1958年に売春防止法が施行され、当時はもう色町ではありませんが、数軒の遊郭だった建物が残っていて、男達の夢の跡を偲ぶことができました。
夕子は小説の中の存在ですが、似通った境遇の女性は少なからずいたでしょう。
色町がなくなると、彼女達は何処へ行ったのでしょうか。

京の街にはこういう歴史もあったのですね。


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